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ゼロヴァースは研究室に運び込まれて以来、ほとんど動きを見せなかった。 食べも殖えもしないなら、活動の必要がないからだろう。 だがつい先刻、私がここを出ようとしたとき…… ガラス越しに私を追いかけるように、移動した。 ……対話を試みていた成果だろうか。 ……この子に意思や感情が存在するならば、それは朗報だ。 私は「心」持つ全ての生物と人間が共存できる世界を模索するため 研究者となったのだから。 この思想を嗤わなかった者はいない。 ……いや、「いなかった」が正しいか。 天陽郷から訪れた、人ならざるもの。 アウリだけは、嗤わなかったな。

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