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奴が封印されたあと、ボクは方々を駆けずりまわって ようやく大体の状況が把握できた。 もはや彼らに、文明を復興し維持するだけの力は、残っていなかった。 辛うじて生き延びた者たちで、次の代、また次の代へと。 そのか細い灯を繋いでいくほかに、道はない。 ボクは文明と共に高度な交通手段を喪った彼らにかわって 天陽郷で生き延びた民たちを導くことにした。 だがその前に、打てる手は打っておかなければならない。 ……いずれ、あの災厄は再臨するだろう。 奴は封印されてなお、世界樹を喰らい続けている。 幾千年の後かは分からないけれど、そのときはいずれ必ず訪れる。 ボクではダメだった。 奴を討つのは、ヒトでなければならないのだろう。 ……ヒトと共に戦ったパルたちの中にも、生き延びたものがいた。 グランジーラ。古来より大海を守護していた一族だ。 なんとか、瀕死の母と、その子どもを見つけることができた。 ……母の方は、もはや長くないようだった。 彼女の力を借りて、力持たぬものが世界樹へと近づかぬよう 結界を張ることにした。 世界樹の中で戦い続けることを選んだ彼らも…… 了承してくれた。 彼女は最期の力で結界を創ったあと、ボクにあの子を託してくれた。 遠い未来、災厄を討ち滅ぼす者が現れたとき、あの子がその導きとなれるよう。 そしてボクもまた、導き手となるべきだろう。 それこそが、この災厄を生き延びたボクという存在の 意義にして責なのだから。

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